特集 「複数受け持ち」実習をより効果的に
パートナーシップ・ナーシング・システムをふまえた「複数受け持ち」実習
酒井 明子
1
1福井大学医学部看護学科
pp.952-957
発行日 2012年11月25日
Published Date 2012/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102241
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パートナーシップ・ナーシング・システムとは
パートナーシップ・ナーシング・システム(Partnership Nursing System,以下PNS)は,2009年に福井大学附属病院の看護師長の上山香代子氏が独自に開発し,同院副院長・看護部長の橘幸子氏が導入発展させた新しい看護体制である。質の高い看護を提供することを目的に,看護師が対等な立場でお互いの特性を活かし,良きパートナーとして相互に補完し合うものである。より具体的に述べるならば,PNSは,副看護師長をコアとしたチームのなかで,看護師同士が経験の違いや特性を活かしてパートナーとして対等な立場で相互に補完・協力し合い,日々の看護ケアをはじめ委員会活動,病棟内の係の仕事に至るまで,1年を通して活動し,その成果と責任を共有するシステムである。
PNSでは,立場の異なる組織や人々が明確な目的のもとに対等な関係を結ぶが,得意分野の異なる者がパートナーを組むことで,それぞれの持ち味を生かし合理的な課題解決の枠組みを作ることが可能である。したがって,PNSを成功させるためには,それぞれの違いを活かすこと,対等・平等であること,活動目的を合理化・共有化すること,信頼関係と緊張感のある関係であること,特性や能力を生かした役割分担をすること,情報を開示することが要件となる。
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