特集 チームナーシングの功罪—現状での総括と展望
受け持ち制の併用を試みて—入院から退院までの継続した受け持ち
加藤 郁子
1
,
山内 香住
1
,
高橋 令子
1
1神戸市立中央市民病院脳神経外科病棟
pp.171-175
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918606
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当院におけるチームナーシングの歴史
当院では,昭和40年にはすでにチームナーシングを取り入れ,試行しようとした病棟があった.脳外科病棟では,42年の開設と同時に実行に移したが,多くの病院がそうであったように,私どもの病院でも,真のチームナーシングの理解という意味では,必ずしも十分であったとは言えない.
それは,婦長⇔主任⇔リーダー⇔スタッフという組織関係で成りたっており,リーダーは,あたかも職制の一部のような観があって,指示する側にまわり,メンバーの一員としての働きに欠けていた.チームメンバーは,リーダーに依存的になったり,また,独善的になる恐れもあった.准看護婦も,看護婦のそれに準ずる動きをし,リーダーにならないことが区別された程度である.モンタークが説いたように,資格の区別によるその役割を有機的に活用はできていなかったし,チームナーシングそのものの意義と仲間意識,民主的運営を誤解していたとさえ感じられるものがあった.機能的看護に慣れ,またタテ社会になじんできた者にとっては,無理のない理解であったと思う.
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