連載 実習の経験知 育ちの支援で師は育つ・9
学ぶコミュニティの形成をめざして―グループ支援ことはじめ
新納 美美
1
1北海道大学大学院理学院自然史科学専攻
pp.432-436
発行日 2012年5月25日
Published Date 2012/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102085
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カンファレンスにかかる停滞前線
実習と言えば“カンファレンス”がつきものです。プログラムをみると,それがない日はありません。以前,外来語が嫌いな上司から「あなたの文章,カタカナが多すぎますね。日本語を使いなさい,日本人なんだから」と叱られたことがあるのですが,考えてみれば,実習の“カンファレンス”を日本語表記にしたプログラムは見たことがありません。仮に日本語に置き換えると“カンファレンス”は“会議”になります。社会人になってから会議にまつわるポジティブな発言に遭遇するのが稀だったためか,イメージダウンの感が否めません。会議の活性化が組織運営の大きな課題といわれるように,会議室にはどうも空気を停滞させる前線のようなものがかかりやすいようです。「やっぱり,カンファレンスは日本語にしなくて正解でしょ」。頭のなかで他愛もない言葉遊びに興じながらふと思い出されるのは,型にはまったカンファレンスのややどんよりとした空気です。そういえば,職場の会議室にかかる停滞前線は,実習のカンファレンスにも忍び寄ってくるのでした。
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