連載 事例で学ぶ看護管理―組織行動学的視点の活用・6
インフォーマルグループの形成と集団行動
稲田 三津子
1
,
前田 久美子
2
1日本赤十字看護大学
2日本赤十字看護大学大学院看護学研究科修士課程
pp.726-729
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902344
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はじめに
人間は,1人でいる時と集団に属している時とでは,同一人物でありながら,異なる行動をとる。すなわち,1人ひとりの行動を理解しているからといって,集団となった時の行動を理解しているとは言えないのである。したがって,前回まで学習してきた個人の行動を理解することに加えて,集団に関する基本的な概念と,集団行動を理解することは,組織を理解するうえで重要と言えよう。
今回の目的は,病棟内で形成されるインフォーマルグループ(非公式集団)について,集団のメンバーである各人の行動を規定する構造の視点から分析することにより,結果として,フォーマルグループ(公式集団)である看護職集団が,より質の高い看護ケアを提供できるための手掛かりを得ることにつながると理解することにある。
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