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書評 ―『地域保健スタッフのための「住民グループ」のつくり方・育て方』―現場の経験知が豊富に織り込まれたグループ支援の指南書
新納 美美
1
1札幌市立大学看護学部
pp.325
発行日 2011年4月25日
Published Date 2011/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101739
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保健師には,日々の実務の積み重ねが地域住民の健康につながることを展望する力が求められる。しかし,それは,初学者や経験が浅い者にとって難しいものである。力量を伸ばすには,現場で先輩の活動に触れながらリアルに学ぶ体験が必要だが,現状では,後進に技を伝承する機会が減少している。本書には,そのような現状を補う「先人の知恵」が随所に織り込まれており,温かみのある実践的な内容で構成されている。よき先輩に出逢えたような読後感が残る1冊である。
本書は,主に行政の保健師が企画・事業化するグループ支援の方法について,柱となる考え方と方法論を提示したうえでテーマ別の具体例を紹介している。全章を通して簡潔な文章で,節ごとにポイントがまとめて記述されるなど,途中からでも読みやすく構成されているので,初学者やまとまった時間がとりにくい読者にも使いやすいだろう。
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