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聴覚障害をもつ看護学生の修学経験に関する実態調査―絶対的欠格条項改正前後の比較検討
栗原 房江
1,2
1東京大学大学院経済学研究科READ
2聴覚障害をもつ医療従事者の会
pp.312-317
発行日 2012年4月25日
Published Date 2012/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102055
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聴覚障害をもつ看護学生に関するこれまでの調査結果
2001(平成13)年,保健師助産師看護師法第9条の絶対的欠格条項「目が見えない者,耳が聞こえない者又は口がきけない者には免許を与えない」が,相対的欠格条項「心身の障害により保健師,助産師,看護師又は准看護師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの」へと改正された。
同年,「聴覚障害をもつ医療従事者の会」が結成された。2002(平成14)年,同会により修学および就労に関する実態調査1)が実施された。その結果,絶対的欠格条項改正以前から,聴覚障害をもつ看護学生として修学し,看護職資格を取得していた者の存在が明らかとなった。しかし,学部ごとの分析は実施されておらず,看護学生の修学経験に関する実態は不明であった。欠格条項改正後,聴覚障害をもつ看護学生の教育経験に関する単一事例研究2),看護学生8名の修学経験(看護基礎教育課程在籍中2名,既卒者6名)の調査研究3),看護職養成課程1496校(高等学校衛生看護科,准看護師養成課程を含む)のうち,145校(2009年2月まで)に聴覚障害をもつ看護学生が在籍との調査報告4)もみられるようになった。また,有識者による障害をもつ看護学生の受け入れに関する誌上座談会や5),看護系大学における障害学生の受け入れ可否に関する調査研究6)も報告されるようになった。
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