連載 「書く力」で“ステキな看護師”をつくろう 初年次から始められること・1【新連載】
【座談会】「書く力」の適切な指導で“ステキな看護師”をつくる―私たちが連載で取り組むこと
三原 祥子
1
,
松岡 志帆
2
,
味木 由佳
3
1東京女子医科大学医学部日本語学教室
2東京女子医科大学看護学部成人看護学
3東京女子医科大学看護学部基礎看護学
pp.320-327
発行日 2012年4月25日
Published Date 2012/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102057
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“ステキな看護師”に求められる「書く力」
三原 当時看護学部の1年生だった味木先生と松岡先生に日本語学の授業でお会いしたのは,2000年の4月でしたよね。その前年までは,日本語非母語話者の方を対象とした日本語教育に10年ほどかかわっていたのですが,ご縁があり,医学部と看護学部の1年生を対象に表現技術系の科目,主に文章表現力を涵養する授業を担当させていただくことになったばかりの頃でした。
松岡 あのときは,まさか自分が教員になるなんて考えていませんでしたし,三原先生と「書くこと」について話し合うことができるなんて,思いもしませんでした。私は,臨床で看護師として働き,その後,大学院では臨床心理学を専攻しました。2011年の4月から看護系大学の教員となり,2年生の授業と実習,3年生の実習と4年生の卒業論文を担当しています。授業,実習,卒業論文……,学生にとってはどれも「書くこと」が必要になるんです。学生は,実習に対する思い入れはとても強いけれど,実習記録やレポートに対しては,「しなくてはいけないもの」としか考えていない。でも,実際に看護師になったら,勤務のたびに看護記録を書くことになる。せっかく,良い体験をしているのに,記録にそのことが記載されない学生も多く,教員としてはとても残念に感じていました。
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