特別記事
保健師の人材確保と大学院での教育
波川 京子
1
1札幌医科大学保健医療学部看護学科
pp.306-310
発行日 2012年4月25日
Published Date 2012/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102054
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保健師新卒者の9割は大学卒業者
大学での看護教育が1952(昭和27)年に開始されて以来,看護大学では保健師と看護師の国家試験受験資格を,同時に付与してきた。平成に入り,看護大学が急増しても,この教育体制は看護大学教育の特徴として継続されてきた。2010(平成22)年度の看護大学は193校(1学年定員1万5504人),2011(平成23)年度には200校に達している。2010年の保健師国家試験の合格者1万1295人に占める大学卒業者は93.9%(1万539人)であり,2011年の合格者1万2792名のうち大学卒業者は94.0%(1万2036人)であった。看護大学卒業要件に保健師養成課程の履修が必修となっていたために,保健師志望の学生が1割程度であっても,保健師国家試験受験者は大学の増加とともに増え続けてきた。2011年の入学者が卒業する2014(平成26)年頃までは,保健師の資格をもつ看護師が増加するが,その後は減少することが予測されている。
保健師資格を有する看護大新卒者の9割は看護師として就労しているが,新卒看護師全体に占める看護大卒者の割合は36.4%(1万5504人)にとどまっている。助産師は大学院教育が2004(平成16)年から始まり,2011年度には16大学院,定員185人に増加している。助産師は大学・大学専攻科・大学院で88%(8837人)が養成され,大学での選択制から,大学院,大学専攻科の上乗せ教育に移行している。
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