連載 沖縄から漕ぎ出す「島しょ保健看護学」の船出・3
大学院における島しょ看護の高度実践指導者育成への挑戦
神里 みどり
1
,
野口 美和子
1
1沖縄県立看護大学
pp.64-70
発行日 2012年1月25日
Published Date 2012/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101975
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はじめに
沖縄県立看護大学では,島しょ県沖縄の特徴を活かした大学院での教育改革を進めるべく,文部科学省の「組織的な大学院教育改革推進プログラム」事業の一環として,2008(平成20)~2010(平成22)年度の3年間,「島しょ看護の高度実践指導者の育成」プログラムに取り組んできた
これまで,本大学院では,島しょ地域で就業する看護職者を受け入れ,大学独自の遠隔講義システムなどを取り入れながら大学院教育を行い,島しょ地域の課題をテーマにした教育・研究活動を行ってきた。しかし,これまでの大学院教育では,限られた専門領域内での島しょ看護の人材育成に留まっており,各専門領域を包括した島しょ看護に特化したカリキュラム体制にはなっていなかった。また,遠隔教育体制も十分とはいえず,島しょ在住のままでの就学も困難な状況がみられた。
これらの島しょ看護の大学院教育におけるさまざまな課題を解決すべく,大学院教育改革を行い,体系的なカリキュラムの構築と組織的な取り組みを新たに展開した。
今回は,本大学での大学院教育における「島しょ看護の高度実践指導者の育成」プログラムの人材育成の実際を紹介し,今後の課題と展望について述べ,さらなるプログラムの発展へとつなげたい。
なお,本大学院では,領域名や必修科目名を「島しょ保健看護」の名称を使用して表示することになっている。それ以外は,文部科学省の大学院の教育改革事業の申請時に「島しょ看護」の名称を使用しており,本稿でもそれに準じて表示した。
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