特集 チーム医療を培うIPE
医療各職種それぞれの卒前教育でめざすもの―共通する課題と改革のために
福原 麻希
1
1医療ジャーナリスト・チーム医療推進協議会
pp.440-442
発行日 2011年6月25日
Published Date 2011/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101778
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「チーム医療推進協議会」発足の経緯
2007年,拙著『がん闘病とコメディカル 医療最前線からの提言』(講談社現代新書)では,がん医療に携わるメディカルスタッフ15職種17人を取材し,「どんなときに,どのように患者をサポートしてくれるか」についてエピソードを重ねた。医療ソーシャルワーカー,管理栄養士,作業療法士など,長年病院で働いてきた職種から,遺伝カウンセラー,リンパドレナージセラピスト,音楽療法士など新しいものまで取り上げ紹介した。看護師は,がん専門看護師を取り上げ,その役割と仕事内容とともに,取材を受けてくださった方の職務上の葛藤や悩みを綴った。
出版のきっかけは,患者会の取材時,患者が悩みを抱えたまま右往左往していたことだった。よく聞いてみると,その悩みとしては例えば,医療費,闘病中の病状変化に伴う食事,自宅でのリハビリ,家族の患者との向き合い方や看取りなどで,そのほとんどは病院でメディカルスタッフに聞くことができれば解決する。だが,患者に「病院にはこういう人がいますよ」と伝えても,「そのような職種があることを知らなかった」と口を揃えて言われた。
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