特集 循環型教育の確立をめざして
看護専門学校で取り組む循環型教育の萌芽―ユニフィケーション,そして人事交流を人材育成につなげる
森内 みね子
1,2
1地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター
2前神奈川県立よこはま看護専門学校
pp.362-367
発行日 2011年5月25日
Published Date 2011/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101752
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はじめに
少子・超高齢化,激しい経済環境の変化において進化と貧困が同時に混在する激動社会を迎えている。看護教育においても時代の要請に対応した看護教育体制の整備が急速に進められている。
現在,看護基礎教育の現場に身を置き,学生の多様化と基礎学力の低下,そして著しく医療が高度化・専門分野化し,看護師に求められる機能が複雑かつ多様化しているなかで,教員の役割が大きく求められることを痛感している。特に看護技術教育に価値を置き,より実践に即した看護師養成が求められる看護専門学校の教員は,看護師の眼と教員の眼を持ち,その両方の力を有効に発揮していくことが大事だと考えている。このことは“看護現場を知らずして看護師教育はできない”と言っても過言ではない。私が看護基礎教育の現場でこだわり続けてきたことは「臨床と看護基礎教育とをつなげる教育」と「看護教育力・実習指導力を高める」ことである。
看護人材の量を背景に看護人材の質という付加価値の高いサービスが問われる昨今において,本県が2003年から取り組んできた県立の看護専門学校のユニフィケーションシステム,さらに2010年県立病院が地方独立行政法人に移行したことによって誕生した県立病院と学校等との人事交流が,病院と学校との循環教育の太い架け橋になってほしいとねがっている。循環型教育について人的資源管理の視点から考えてみたい。
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