連載 世界のリーダーに聞く・10
ラッシュ大学のユニフィケーションシステム
キャスリーン アンドリオリ
1
,
阿部 俊子
2
Toshiko Abe
2
1ラッシュ大学看護学部
2イリノイ大学シカゴ校看護博士課程
pp.936-939
発行日 1996年10月1日
Published Date 1996/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905194
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ユニフィケーションシステムモデル
ラッシュ大学はそのユニフィケーションシステムモデルで有名である.ユニフィケーションシステムモデルとは,教育と臨床をひとつにしたものである(Rehwaldt, 1991).大学教員と大学病院の看護スタッフがお互いの知識と技術を相互に交換しあう,さらに大学教員が看護スタッフも行なうし,看護スタッフが大学教員も行なうという援助関係だ.
ラッシュ大学では1972年からこのユニフィケーションシステムを行なっている.このユニフィケーションシステムでは,ティーチャープラクティショナー(T/P)というのがキーパーソンである(Cochran, 1989).大学院教育を受けた教員が,高度の臨床技術を身につけているので,教育にもよい影響が与えられる.臨床ではこの教育,研究,臨床が一体となって,優れた看護ケアが提供できるとされている.ティーチャープラクティショナーがこのユニフィケーションシステムのモデルの中心であり,教育と臨床との橋渡しの役割となる.このティーチャープラクティショナーの給与というのは,大学の看護学部と大学病院から支払われている.ティーチャープラクティショナーの仕事の役割も,大学と大学病院の両者の話し合いで定められている(Andrioli, 1993).
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