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はじめに
神奈川県では質の高い看護人材の養成をめざして2003年度より県立看護専門学校の再編整備のなかに新たな取り組みとして,ユニフィケーションシステム(以下,システム)(p.1018,図参照)を導入した。このシステムを活用した教育は,多くは大学教育において実施されているもので,当時専門学校での取り組み例はなく,先駆的な事業であった。
本県におけるシステムの基本的な考え方として,組織相互における資源の共有と組織の者による相互作用を掲げている1)。このシステム開始当初は県立病院との取り組みであったが,2006年度より民間病院である神奈川県警友会けいゆう病院(以下,けいゆう病院)とのシステムを導入した。導入にあたっては設置主体の異なる学校と病院の間で諸条件を整えることが課題であったが,看護部長の後押しがあり,実施に至ることができたと理解している。
本校におけるシステムは今年で12年目を迎えたが,長期間継続できた要因はシステム化したことが大きい。組織的な取り組みとして学校と臨床の双方が相互に看護活動および看護教育に共通する目標を掲げ,それに向かって取り組むことで看護教育と看護実践の質の向上を図ることができたと考える。
本校では,これまでのべ14名の教員がユニフィケーション教員として活動してきた。当初,活動内容は教員の看護実践能力の向上として,臨床での実践体験に時間を割いていたが,2006年度以降からは新人看護職員育成への働きかけや臨床指導者や病棟スタッフに対する助言といった病棟看護への質的向上にも微力ながら寄与することができるようになってきた。また活動期間も当初は1年間であったのを2年間の活動期間とし,より施設との連携・協働が強化できる形としていった。
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