連載 「教え方」の本を読む!・2
伝える授業を伝わる授業にする―『あたりまえだけどなかなかできない教え方のルール』
朝倉 真弓
1
1横浜市病院協会看護専門学校
pp.140-144
発行日 2011年2月25日
Published Date 2011/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101684
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どのようにしたら伝わるのか,試してみる
看護教員として学生に授業を始めて,5年目となります。「教え方」は教員養成課程で学んできましたが,授業をしてみると,学生に「伝わる授業」ではなく,「伝える授業」になっているのではないかと考え始めました。一昨年に本誌の『先輩に学ぶ講義法』に参加させていただき,先輩教員の教え方のスキルを学び,やっと「伝わる授業」の糸口のようなものが見えてきたところです。
現在の看護学校には,さまざまな背景の学生が入学しているため,価値観や学習に対する思い,看護に対する思いも人それぞれです。そのため,伝えれば学生自身で理解し,活用できるようになる「伝わる学生」と,伝えても学生自身で理解する方法を知らず「伝わらない学生」という二極化が生じています。「伝わらない学生」といっても,理解したいと思ってはいるものの諦めてしまっていたり,理解の仕方がわからなかったりすることでモチベーションが低下しているため,さらに伝わらなくなるという悪循環が生じています。私は,このような学生に,どのような教え方をしたら伝わっていくのか,またモチベーションをアップさせることができるのか悩んでいました。
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