- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
太田高等看護学院(以下、本学院)は、1953年に「太田准看護婦学校」として創立しました。その後、1958年に2年課程の看護師養成所となり「太田高等看護学院」と改称、1992年には3年課程の専修学校へと変更し、今日に至っています。設立主体を同じくするSUBARU健康保険組合太田記念病院は、第三次救急医療機関であると同時に、多くの医療従事者育成のための実習を行う教育機関でもあります。本学院の特色は、太田記念病院に隣接することをフルに活かしたカリキュラムを編成し、充実した学習環境が備わっていることです。本学院の教育理念、教育目的・目標は、各専任教員が担当している看護基礎教育の専門科目に落とし込み、学生の育成につなげています(表1)。
私は現在、看護学概論の科目を担当していますが、看護教育に携わることになってから、この科目を担当するのは今回で2度目になります。1度目は、太田記念病院で看護師として10年間の臨床経験の後、現職場で専任教員を13年間経験したときでした。当時は、教務主任として看護学概論の講義を担当していました。そして再び臨床に戻り、病棟の師長、副院長兼看護部長を経験した13年後に、現職である看護教育の道を再び歩むことになりました。臨床現場と教育現場を行き来した経験は、私にとって看護について考えるよい機会となり、看護基礎教育の重要性を再認識しています。この経験を活かしながら、看護師を志してきた学生に看護についての学びを伝えていきたいと思っています。
現在、看護教員として担当している科目は、1年生を対象にした「看護学概論」「コミュニケーション技術」「生涯発達と健康」「保健医療福祉Ⅱチーム医療」の4科目です。また、「看護の機能と役割」「理論と実践Ⅰ」「理論と実践Ⅱ」の科目を、3年生を対象に講義しています。担当科目の講義の3分の2は1年次に行っているため、入学したばかりの1年生とのかかわりが多いです。入学時の学生の看護に対する思いはさまざまです。その思いを大切にしつつ、これから看護を学ぶ学生に、看護の楽しさを少しでも感じ取ってもらえる授業を念頭に置いています。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.