特集 看護学校の図書
看護学必備図書—その選定と基準
津田 良成
1
1慶応大学医学部図書館
pp.7-12,29
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906304
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1.専門職業としての読書の必要
看護は人間性と科学性とに支えられた独自の専門職であるという。しかしながらその一方では,看護学は厳密な意味での学問ではなく,看護という職業も,職業ではあってもプロフェッションという意味での専門職業ではないという人たちもいる。このような批判が起こるにはいろいろの理由もあることであろうが,それが,医師が診療を行なうときの下働きのような形で発達してきたという事実に起因していることはいなめない。
ところでこの看護は,患者のニードに応え,医師の治療の効果を充分に発揮させる介添としての非常に実際的な仕事からしだいに発達したものではあるが,今日では複雑な,専門的な仕事になってきたため,世間で一般に認められている医学そのほかの専門職業と同様に,その開発された知識,技能というものを,文献の形で蓄積することが必要になってきている。
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