病院管理フォーラム
[病院図書室]これからの病院図書室
奈良岡 功
1
,
野原 千鶴
2
1自治医科大学図書館
2済生会下関総合病院図書館
pp.802-805
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901898
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
病院図書室の歴史を振り返ると,1960年代はまだ病院における図書室は十分に設置されておらず,設置されていてもその機能は不十分なものであった.しかも,医局図書室が中心でコメディカルが使用しにくいものであり,さらには担当者も医局の秘書と図書室の管理・運用を兼務するといった具合で,病院管理者の図書室に対する認識も低く,整備に力を入れているところは数えるほどしかなかった.また,当時は,担当者の資質も一部の担当者を除いてはあまり高いとは言い難く,その上,個々の図書室は他の病院図書室との連携体制もないまま「点」として業務を行っており,コンソーシアム(研究会・協議会=ネットワーク)も存在してはいなかった.
1970年代に入ると,まず近畿地区に病院図書室のネットワーク化(近畿病院図書室協議会)が1974年にスタートし,これに遅れること1年4か月後の関東地区にもネットワーク(病院図書室研究会)が誕生した.現在のこの二つのネットワークは,前者は機関単位の会員制で近畿地区外からの会員も擁し,後者は個人単位の会員制で全国(海外にも会員がいる)に会員を擁するに至っている.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.