実践報告
看護基礎教育における感染予防意識を高めるための教育方法の検討
工藤 綾子
1
,
池田 恵
1
,
網中 眞由美
1
,
堀 賢
2
,
岩渕 和久
1
1順天堂大学医療看護学部
2順天堂大学大学院感染制御科学
pp.393-397
発行日 2010年5月25日
Published Date 2010/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101462
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はじめに
看護基礎教育課程の中で,感染に関する知識・技術の修得は,看護の対象となる患者の安全を守るだけでなく,学生自身の健康を守るためにも重要な授業科目といえる。学生が実習を展開する臨床の場には,感染症に罹患している患者のほか,疾患や治療の影響による易感染患者が多く存在する。このような環境の中では,学生一人ひとりが感染に対する正確な知識と予防行動を適切にとれることが求められる。学生が感染予防に関する知識を深め予防行動をとることは,患者に対する安全の概念を広げることにもつながると考える。
そこで本学では,感染看護に関する知識と技術を系統的に学習できるよう学生の履修にあわせ,授業内容を構成している。特に,実習においては感染予防行動がとれるように実習オリエンテーションの中に手洗い意識をもってもらえる工夫をし,感染予防に対する意識を高めている。さらに4年次の「医療看護の統合と発展」の中では卒業後にも活用できるよう,より実践的な授業内容を構成し,感染に関する意識の高い看護師の育成を目差している。今回は講義と実習(演習含む)に焦点をあて,感染予防意識を育成するための教育方法の検討を中心に報告する。
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