調査報告
看護大学生の地区診断技術を高める教育方法の検討―地区踏査・マッピングの導入
大須賀 惠子
1
1愛知学院大学心身科学部健康科学科
pp.876-881
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100325
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
■要約
教育方法の検討を行うことを目的として,地区踏査・マッピングの導入による教育効果を測定した。
対象は,地域看護方法論II(2単位60時間)を履修した2年次学生および3年次編入生で,調査に同意の得られた174名である。
方法は,地区踏査時の学生の行動および一連の学習過程について,学生の自己評価の記述統計による分析と記述内容の質的な分析を行った。
その結果,学生の自己評価を2000年度と2004年度で比較してみると,2004年度には6項目すべての評価が上昇していた。両年度を通じて最も評価が低かったのは学習目的理解度であった。
質的な分析からは,学習成果として,「保健師活動が見えてきた」「保健師に対する興味関心の高まり」「地域そのものへの理解の深まり」「学習への主体的な取り組み」の4つのカテゴリが浮かび上がってきた。
学生たちは,一連の学習過程を通して,保健師が行う地区診断への理解が深まり,学習への主体的な取り組みができた。地区踏査・マッピングは,それ自体に学生を引きつける魅力があるが,授業への導入だけでは不十分であり,教育方法の工夫を積み重ねることによって,学習効果(地区診断技術)が高まることが明らかとなった。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.