特集 看護教育の臨床への継続―神奈川県の教育研修から考える
基礎から臨床へ「看護の経験」の継続を
楳原 弘成
1,2
1川崎市立川崎病院看護教育委員会
2川崎市立川崎病院救命救急センター
pp.200-203
発行日 2010年3月25日
Published Date 2010/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101420
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
もっと看護を教えてほしかった
以前私は,新人看護師(以下,新人)からある言葉をもらい,とてもショックを受けました。同時に,その言葉が,私にとって新人教育を考える原点となり,今でも新人教育に関心を持ち続けている原動力になっています。その言葉は,新人と1年間を振り返っていたなかで新人が発した「もっと看護を教えてほしかった」という言葉です。
当時,私は新人教育担当者として,1年間で新人が身につけるべき教育内容を徹底的に分析し,なるべく負担をかけないように内容を精選し,短時間で習得できるように教育内容と方法を工夫しました。「患者さんのベッドサイドに行って3分後には必ず役立つことを教える」をモットーに,チェックリストを何度も見直し,新人の到達状況をくり返しチェックしました。基礎看護技術,フィジカルアセスメント,病態生理,診療の介助技術,術前術後のケアポイント,心電図の見方,人工呼吸器の扱い方,急変時の対応,夜勤のコツ,等々,とにかくいろいろなことを教えました。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.