外来に変化を・6
看護を変える継続教育
後藤 裕子
1
1筑波大学付属病院
pp.62-69
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901867
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短大卒業後すぐに外来で勤務し始めて2年が経った.外来で働くようになって,今までに聞いたこともなかった理論や概念を知る機会を得た.私自身,学生の頃よりはるかに"学習している"という気がする.一方,同期で他のところで勤務している友人たちの間では,「仕事だけで精一杯,チーム内での勉強会すらいやいやながら,この他に勉強している暇などない」という声も聞く.しかし,私達は良い仕事をするのに必要だから学習するのであって,決して時間的余裕があるからとか暇だから学習するのではない.看護婦の中に,同じように時間の余裕ができたとしても,本を開くことより,物品の整理やナースステーションなどの環境整備,医師の業務の補助をする方が善しとされたり,ケアに必要なことでも,勤務時間中に文献や資料を読むことやカンファレンスをすることに抵抗感や罪悪感を覚える人も多い.たえず体を動かし,走りまわっていることイコールよく働くことという風潮がある職場は問題である.ケアのために学ぶということに価値を置いていないと言えよう.
よく,基礎教育と実践が結び付かないということも問題にされる.例えば,ある理論について学んできた看護婦が,その理論を活用した看護をしたいと思って臨床に出たとする.実践経験が少ない新卒の看護婦は,量をこなすことに価値を置き,経験主義的な職場だとすると,知識ばかりで使えない,役に立たない看護婦と言われてしまう.
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