特別記事
看護学生の漢字読み能力の現状と対応教材の提言―なぜ今,『KAN-TAN看護の漢字読み』が副読本に必要か
野崎 真奈美
1
1東邦大学医学部看護学科基礎看護学
pp.34-38
発行日 2010年1月25日
Published Date 2010/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101380
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取り組みの動機──学生の現状から
アルファベットは1つの音を表わす文字であるのに対し,漢字は一つひとつに意味と音をもつ文字である。漢字を正しく読むことは,文字一つひとつの意味を理解することを促し,漢字の組み合わせである単語の意味内容の理解にもつながると期待できる。看護学の専門用語を正しく読むことは,看護学の知識を習得する際に重要な役割を果たすと考える。しかし,現在では電子辞書を片手に教師の話を聞くという授業風景を目にするとともに,受け答えの様子から漢字の読み書きが苦手な学生が増えてきたと実感する。
本稿では,現在の看護学生の漢字の読み能力を明らかにしたいと考えて,本学の学生とともに行った2つの漢字の読み能力に関する調査結果を報告するとともに,なぜ私が“チームKAN-TAN”(野崎,田中美穂,蜂ヶ崎令子の3名)として,基礎教育の素養を補う教材を作成するに至ったかを読者の皆様にお伝えしたい。
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