特別記事
なぜ看護教育にGPA制度が必要か―主体的な学習の実現に向けた教育課題への挑戦
吉田 文子
1
1山梨県立大学看護学部看護教育学領域
pp.1002-1006
発行日 2009年11月25日
Published Date 2009/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101338
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基礎教育での主体的な学習と教育改善のために
看護基礎教育の特質は,教育課程修了時に国家試験受験資格が与えられることである。これは,専門学校教育であれ大学教育であれ同じことであり,育成側としては共にディプロマポリシーとして,卒業時の学生の資質の保証が必要である。
学期末あるいは学年末の評価(到達度評価として)を行う際,不合格科目を持つ学生の問題は取り上げられるものの,成績が芳しくなくても不合格科目を持たない学生に関しては,学習到達度不足を微妙に感じながらも取り立てて問題視はされず,学習支援策をアドバイザーや科目担当教員に一任しているのが実情であろう。これは教師中心の授業観による,問題解決型の学習支援策である。他方,学習者中心の授業観に基づく学習支援策が考えられる。それは,(1)学習の最終責任が学生自身にあることへの自覚を啓発する,(2)学習の質を自己評価できるシステムを提供する,の二側面からの学習支援策を講じることである。
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