連載 「准看報告書」以後の看護教育制度をめぐって・2
副看護婦の歴史を掘り起こす―「看護教育制度の統合」実現に向けて過去から学べること
久保 成子
pp.358-361
発行日 1997年5月25日
Published Date 1997/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901613
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
私の脳裏をかすめたこと
1996年12月,厚生省の「准看護婦問題調査検討会」が報告書をまとめた.発表された報告書には,将来的展望として「現行の准看護婦養成課程の内容を看護婦養成課程の内容に達するよう改善し,21世紀初頭の早い段階を目途に,看護婦養成制度の統合に努めることを提言する」とある.そのために,①地域医療の現場に混乱を生じさせないようにすることが不可欠であり,国において医療機関に看護職員を提供できる体制の整備に努めるべきこと,②現在就職している約40万人の准看護婦・士が看護婦・士の資格を取得するための方策を検討すべきこと,等々が提言されている.
この①に関連して危惧される,過去に起こった出来ごとが私の脳裏をかすめた.それは,「副看護婦養成」の問題である.副看護婦の問題は昨1996年12月初旬(メディファクス2649,同2650号),日本医療労働組合連合会,東京地方医療労働組合連合会によってその存在が現在の看護関係者にも明らかにされつつあるが,乏しい資料注1)から私が知り得た養成の経緯について考えてみたい.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.