第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
【柳田邦男賞 特別賞】今……生きてこられてよかった
大野 智美
1
1島根県立大学短期大学部看護学科
pp.684-685
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101261
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中学2年生の秋,母は飛び込み自殺した。母子家庭だった。離婚後,アルコール依存症でうつ状態だった母は自分の中ですべてに追い詰められていた。ほんとうは生きていたい。
その気持ちが痛いほど伝わっていた。母を恨んだことはなかった。むしろその時は少しほっとしたのが事実かもしれない。しかし,母が亡くなり,生活しないといけなくなった私は自分の「夢」ということについて考えることすらできなかった。中学もろくに行けず,アルバイトで生活をつないでいった。そのアルバイト先で知り合った彼と結婚をした。そして,島根県に引っ越しをすることになり,それが人生のターニングポイントになった。
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