第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
【柳田邦男賞】患者の心に寄り添いたい
竹原 裕美
1
1松山看護専門学校准看護師科
pp.616-617
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101828
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2年前の春。長男は中学校,長女は小学校,次男は幼稚園,そして私は准看護師学校に「せーの」で進んだ。4人そろってピカピカの1年生。期待に胸ふくらますとはこのことかとしみじみ感じた。私の期待と裏腹に,周囲はたいして期待もしていなかったようだが,後に私は「こんなにがんばるとは思わなかった」と夫をはじめ友人たちを唸らせた。両親にも「やればできる子だと思っていた」と言われた。38歳にして,親にこんなことを言われるのも情けないが,今までの素行が悪すぎたから仕方がない。
私が看護師を目指したのは,19歳のときに出会った看護師さんたちの強く優しい心に癒され,自分もそうなりたいと思ったからだ。でもそれだけではない。看護と真剣に向き合う看護師さんたちの姿が,私には輝いて見えた。そして,定職にもつかずブラブラと毎日をやり過ごし,夢も目標もなかった私の考え方は大きく変わった。私もがんばってみたいと本気で思うようになったのだ。
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