第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
増渕先生が教えてくれたこと
宍倉 優子
1
1茨城県立中央看護専門学校看護学科
pp.686-687
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101262
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「増渕先生が今朝,亡くなりました」─私はこのことを聞く心の準備ができていた。この前日まで,増渕惠先生のいた病棟で実習をしていた。
私と増渕惠先生との出会いは入学式の日である。私から見た先生の第一印象は大地のような温かみと,しっかりとした印象があり独特の存在感があった。「みんなの顔と名前を覚えようと思って願書をずっと見ていたから,みんなに会った時,芸能人に会えたみたいでうれしい」と言って,入学したばかりの私の緊張をほぐしてくれた。また,「初めての授業で緊張しているからみんな見守ってね」,「少しでも緊張をほぐすために着慣れた白衣で授業をするね」と話す様子がとても親しみやすかった。この時,新米看護教員の増渕先生が私にとって大きな存在になるとは思ってもいなかった。夏休み前3回目の授業で次の授業内容を予告していたのに,次に会えるのが1年以上もあとのことだとは予期していなかった。
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