特別記事
看護技術の到達の実態を評価するための取り組み―「看護師教育の技術項目と卒業時の到達」の技術到達具体的行動目標の作成
有田 久美
1
,
今辻 由香里
2
,
浦 綾子
1
,
太田 美津子
2
,
城戸 教江
2
,
黒髪 恵
1
,
佐久間 良子
2
,
鶴岡 由香里
2
,
濱松 美香
2
,
吉村 千扶美
2
,
塚原 ひとみ
2
1福岡大学医学部看護学科(前福岡大学附属看護専門学校)
2福岡大学附属看護専門学校
pp.130-136
発行日 2009年2月25日
Published Date 2009/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101133
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はじめに
2007(平成19)年4月,厚生労働省から看護実践能力を強化することをねらいに「看護師教育の技術項目と卒業時の到達度(案)」1)に141項目の卒業時の到達度が示された。これは,2005(平成15)年に同省より発表された「臨地実習において看護学生が行う基本的な看護技術の水準」の項目が基になり,より対象の状態や場面が明らかとなっている。
しかし,到達すべき項目や内容は明らかになっても,実際にどれだけ到達しているかは教育機関の教育目標や,何をもって到達とするかの考えが異なり,その実態は把握しにくいのが現状である。
福岡大学附属看護専門学校では,長年独自の到達項目を設定した「技術経験録」を作成し,各実習単位終了時や,学年ごと,さらに卒業時に技術到達の確認を行ってきた。しかし,教員・学生がイメージする評価場面やできたと考えるレベルはさまざまであり,到達の実態が正しいのかジレンマを感じていた。
そこで,同じ条件のもとに技術到達の実態を把握する必要性があると考え,厚生労働省の発表を機会に,「技術到達具体的行動目標」作成に至った。今回は,「単独で実施できる」の到達レベルIについて,教員の認識を統一するために,到達の評価範囲と具体的行動目標(表)を示した。
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