看護教育研究
高校生への企画授業「健康科学の基礎」を振り返る―『シンデレラ姫のその後』を授業テーマとして
佐藤 厚子
1
1秋田看護福祉大学看護学科
pp.137-143
発行日 2009年2月25日
Published Date 2009/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101134
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はじめに
高校大学連携事業(以下,高大連携事業)は「高校生が学問への関心を高め,また進路決定の参考となるよう,大学及び短期大学が提供する企画授業をする機会を設けること」を主旨として企画されている。事業実施主体は大学コンソーシアムという組織であり,秋田県教育委員会などが共催している。筆者は2007(平成19)年度後期授業「健康科学の基礎~看護の一面,福祉の一面」(全4講)の第2講目を担当した。
現在,いかに健康で長生きするかは世界的な問題である。そこで筆者は高校生が健康問題に興味をもち,“健康習慣”の重要性に気づくことを授業の目的としてアプローチをしてみたいと考え,この一見堅苦しい題材を高校生に考えてもらうためにどのような授業方法がよいか悩んだ末に思いついたのが,誰もが知っている「シンデレラ」物語を題材とすることであった。この物語は貧しい少女が王子様にプロポーズされるサクセスストーリーである。「美しく心優しいシンデレラ。素敵な王子様と結婚してからのシンデレラ姫は美しかったでしょうか?」を問いとして,美しさを保つにはどのような健康習慣を身に付けるべきなのかを考えてもらいたいと思った。授業のアンケート結果では,高校生は授業に興味を示し,生涯にわたる健康は日常の健康習慣にあることを知るきっかけとなった。本稿でその授業内容を紹介し,大学が高校生に対して専門分野に関連する授業を行うことの意義について考えたい。
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