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はじめに
社会の変化をふまえた看護学教育の質保証に向けて、一般社団法人日本看護系大学協議会(以下、JANPU)は、「看護学士課程においてコアとなる看護実践能力と卒業時到達目標〔2011(平成23)年〕」の内容を検討し、2018(平成30)年6月に「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシー*と卒業時到達目標」(以下、コアコンピテンシーと卒業時の到達目標)として報告した。JANPU看護学教育評価検討委員会(以下、委員会)では、この「コアコンピテンシーと卒業時の到達目標」を各大学でのカリキュラムに活用していただくべく、活用の調査や活用するうえでの課題・ニーズについての調査を行い、さらには活用のためのワークショップを開催してきた。ワークショップでは、「文部科学省(以下、文科省)・JANPUなど複数の指針があるが、その違いがわからない」「大学なので文科省から出されたモデル・コア・カリキュラムを使う」「活用法をもっと具体的に示してほしい」「他大学での取り組み例を示してほしい」などの多くのニーズがあきらかになった。
本稿ではこうしたニーズをふまえ、「コアコンピテンシーと卒業時到達目標」の概要を示すとともに、看護学士課程のカリキュラムへの活用について概説する。さらに、「焦点」(本号736ページ)にて、看護学士課程でのコアコンピテンシー活用例として、基礎看護学、および実習(小児看護学・精神看護学・成人看護学・老年看護学)の各領域について、実際の取り組みを報告する。なお、「コアコンピテンシーと卒業時の到達目標」の活用方法は多様であることから、活用例については委員会で作成したものではなく、各大学での活用例であることをご了承いただきたい。また、「コアコンピテンシーと卒業時の到達目標」の具体的内容についてはJANPUホームページ掲載の報告書1)を参照いただきたい。
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