連載 看護師が学ぶ「性の健康」教育・1【新連載】
看護職が性教育に関わる意味―「性の健康」教育アプローチの提案
堀 成美
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1国立感染症研究所感染症情報センターFETP
pp.76-77
発行日 2009年1月25日
Published Date 2009/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101116
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■「“性教育”を受けたことがありますか?」
学校教員や行政担当者向けの研修会で,まずこのように質問をすると,受講者の年齢(世代)によってこのときの反応が異なります。大学を出たばかりの若い保健師はさっと手を挙げ,その親の世代(50代以上)では首を傾けて戸惑っています。自分の体験を思い返して,「あれは性教育とよぶべきか――うーん」という思案顔をされるかたも少なくありません。
性教育が学校で正規のプログラムとして普及し,9割近い学生が「受けたことがある」と答えるのは30歳以下の人たちです。そもそも教える側の教員や親が教わっていないのが現状です。このため,何度実施しても「これでいいのか?」という不安が消えないと性教育に携わる教員関係者から聞きます。学校には文部科学省の学習指導要領がありますが,あくまで指針であり,具体的な教育ノウハウが書かれていないからでしょう。
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