特集 虐待新論――「なかったことにしない」ための援助論
バイスタンダー・アプローチ――教育現場での性暴力に介入するために
北風 菜穂子
1
1大東文化大学
pp.46-50
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26010051
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I はじめに
教員による性犯罪・性暴力が相次いで発覚している。2025年に入ってからも,女児の下着を盗撮し,画像や動画をSNS上のグループで共有したとして,小学校教員の男2人が逮捕・起訴された事件や,女子生徒にわいせつ行為をした疑いで中学校元教員が逮捕・起訴され,有罪判決を受けた事件などがあり,教員による性暴力への対策を求める声が高まっている。
性犯罪・性暴力においては,被害についての相談を受けても,被害を矮小化・否認して適切な対応をしなかったり,被害者を責めたり,疑ったりして,周囲の大人が二次加害を与えることがある。しかし,即時対応しなければ,被害者を孤立無縁の状態にすることになり,新たな被害を受ける危険性も高まる。被害を受けている子どもを守るためには,勇気を持って行動することが求められる。
筆者は大学において主に幼稚園・小学校の教員養成に携わっている。学校での性暴力の問題を扱う際,バイスタンダーとしてどのように行動するかを考えてもらうことも,授業の課題としている。本稿では,教育現場で性暴力を発見した際,即時対応・介入することの障壁や,障壁を乗り越え行動するにはどうしたらいいのか,Dr. Banyardらによるバイスタンダー・アプローチを参照して考えてみたい。

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