特集 “いのちの授業”を学生に贈る
“いのちの授業”へのメッセージ―教師自身が試されるフラットな学びの機会として
上野 創
1
1朝日新聞
pp.1018-1019
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101060
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10年前,26歳でがんになってショックだったのは,「自分も含め,人はみな死ぬ」ということについて,まるで考えてこなかった自らの来し方だった。広範な転移,激しい治療の副作用,2度の再発といった不条理に打ちのめされるなかで,何としても生きたいと願い,何とか生かしてほしいと祈った。
そう,死を突きつけられて初めて,僕は生について真剣に考えた。周りの人と生きることの愛おしさ,悲劇は喜劇と表裏である滑稽さにも気づき,目が覚める思いだった。
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