特集 “いのちの授業”を学生に贈る
“いのちの授業”へのメッセージ―「生きるのに,遠慮は要らない」わたしが学生に伝えたかったこと
上野 千鶴子
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1東京大学大学院人文社会系研究科社会文化研究専攻社会学専門分野
pp.1012-1013
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101058
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“山ちゃん”こと山田泉さんの新著『いのちの恩返し』(高文研,2008年)の帯に,こんな言葉を書いた。
「がんになり方も山ちゃん流!
まわりをすべて巻きこんで山ちゃん台風は行く。
もらいつづけ,与えつづけて疾駆する。
おーい,そんなに先を急がないでよぉ。」
会ったこともないのに,お友だちでもないのに,帯を書いたのは「頼まれた」からである。わたしはこういう頼まれ方に弱い。
がん患者だから,ではない。このひとの前向きのエネルギーが他人を巻きこむ力に圧倒されたからである。
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