連載 都立看護学校7校の新カリキュラムへの取り組み【専門科目編】・4【最終回】
統合分野・看護の統合と実践
林 慶子
1
,
中山 富子
2
,
中島 明美
2
,
小林 美智子
3
,
安井 静子
4
1東京都立青梅看護専門学校
2東京都立府中看護専門学校
3東京都立南多摩看護専門学校
4東京都福祉保健局 医療政策部 医療人材課
pp.959-964
発行日 2008年10月25日
Published Date 2008/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101045
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はじめに
2009(平成21)年度カリキュラムの大きな改正点の1つが,統合分野の創設である。
現行カリキュラムが,基礎・専門基礎分野から専門分野の各看護学へと拡散したまま教育が終了しているため,より臨床実践に近い形で,すべてを統合するような科目や教育内容が必要とされたためと聞く。
「看護基礎教育の充実に関する検討会報告書」では,「看護の統合と実践」を新設した背景として次の2点を挙げている。1つ目は,臨地実習で学生の看護技術の範囲や機会が限定される一方で,就職後は複数患者の受け持ちや複数作業の同時進行,ME機器の確実な操作・管理が求められていること,2つ目は,新人看護師がかかわる医療事故・ヒヤリハット事例の割合が高いこと,である。
現在の医療制度改革は,卒業時点の能力と臨床現場で求められる能力のギャップをますます拡大させる方向にある。急性期医療では在院日数の短縮化や病床数の削減,さらにはDPC(診断群分類別包括評価)の導入など,「医療の効率化」が避けられない流れとなっており,卒業生を送り出す学校側には,より現場に即した方法で,安全な医療サービス提供のための教育内容の充実が求められている。
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