特集 相補・代替医療へのニーズにどう対応するか
相補・代替医療の活用事例
統合医療の実践
山本 竜隆
1
Tatsutaka Yamamoto
1
1総合医療ビレッジ
pp.397-399
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100817
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■統合医療とは
統合医療(Integrative Medicine:IM)とは,一般に現代西洋医学と代替医療を合わせた医療と考えられている.しかし,単に複数の医療を組み合わせた診療を統合医療というのではない.現代西洋医学と各代替医療を統合する以外に,治療医学と予防医学,“集団(mass)” を対象にした医療と “個” を対象にした医療,また日本の医療制度上では保険診療と自由診療,さらに客観的データに基づく医療と満足度を重視する医療,この他,精神的対応と肉体的対応,個人的対応と社会的対応,地域性とグローバルな動向など,多くのことを考慮し融合した医療を意味する.そして様々な医療体系の土台となっているのが,科学的根拠ではなく “哲学” や “理念” であると考えられている.この点で,筆者は広く理系と文系の統合,学問と実践の統合でもあると考えている.
また統合医療は,個々の人間の健康や診療方法を,上記のように様々な角度から考え,最適な形で提供することを目的としており,患者と医療従事者との関係性を重視している.いまだ発展途上ではあるが,明らかに相補・代替医療(Complementary and Alternative Medicine:CAM)と統合医療は似て非なるものである(表).
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