実践報告
教養ゼミナールの学習効果と課題―学生による僧侶へのインタビューを通して
工藤 綾子
1
,
寺岡 三左子
2
,
稲冨 惠子
3
1順天堂大学医療看護学部高齢者看護学
2順天堂大学医療看護学部基礎看護学
3順天堂大学臨床医学
pp.841-847
発行日 2008年9月25日
Published Date 2008/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101021
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はじめに
ゼミナールは学生中心の教授法といわれ,学生の自主的,創造的活動を促すと共に集団による問題解決を直接に体得することができる学習活動である。本学では,教員が提示したテーマに対し,学生が興味・関心をもつテーマを選択し学習する教養ゼミナールを2年次通期に開講している。この科目は,テーマについて主体的に調べ,深く,広く探求することにより,学生が主体的に学習する態度を身につけ,グループワークを通じて,プレゼンテーション能力や自らの考えを発展させる能力,学習成果を論理的にまとめる能力を養うことをねらいとしている。今回,本ゼミナールで筆者が提示したテーマは「お坊さんが臨床に出向く日はくるのかな?」である。近年,臨床においては仏教と医療を基盤にした活動の可能性をさぐる現場や教育機関も多くなっている。特に,終末医療ではスピリチュアルケアを考えるうえで欠かせないのが宗教との関連性である。病気という経験は,自らの生き方や生活,さらには生きること,死ぬことの意味を考える機会ともなる。そのため,医療の世界に僧侶が関わることの意義や可能性をさぐり,学生の看護者としての協働意識を高めることを授業内容として展開しながら,上記に記載した主体的学習態度を育成し思考の発展形成を目的に実践した結果,ゼミナール学習の学習成果を得ることができたので報告する。
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