連載 シカゴ通信&JNEセレクション・1【新連載】
シラバスは学習を積極的に導くもの
長江 美代子
1,2
1イリノイ大学看護学研究科博士課程
2滋賀県立大学
pp.176-177
発行日 2008年2月25日
Published Date 2008/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100870
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シラバスは単なる学習計画書ではなかった
イリノイ大学シカゴ校(UIC)に入学した当時の私は,シラバスとは講義のおおまかな学習計画であり,学生と教員が学習の流れを理解し,授業過程を円滑にするためのものと理解していた。そのため,初めて渡されたシラバスを見たとき,「詳しく書いてあって親切だな」と思いながらも,学期間中のおおまかな流れを把握する程度に留まった。
シラバスの重要性に気がついたきっかけは,課題レポートの予想以上に低かった評価と,そこに書き込まれた「○○について記述されていない」という担当教員からのコメントだった。シラバスを再度見直すと,“課題レポートに含むべき内容”があるではないか。レポート作成中に何を書くのかよくわからなかった項目や,時間をかけて情報収集するべきところを手抜きしてしまった項目の評価が低かった。「そうか,課題の主要なテーマはじっくり考えて書いたつもりだったけれど,自分がすんなり書けるところだけ書いていても,確かに学びにはならないな」と深く反省した。
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