特集1 看護学生の論文
入選エッセイ・論文の発表
論文部門
地域中核病院の地域医療連携における看護師の実際の役割と今後期待される役割―A県の2つの自治体病院の看護師・医師・MSWのインタビューを通して
木幡 映美
1,2
1宮城大学看護学部看護学科(投稿当時)
2東北大学病院
pp.722-725
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100746
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はじめに
近年の急速な少子高齢化をはじめとする,さまざまな要因による医療ニーズの変化に伴い,適切な医療提供体制の構築を目的として,昨年,第5次医療法が改正された1)。これにより,これまで進められてきた医療機関の機能分化,急性期医療の効率化・重点化など,在宅へ移行する動きはさらに加速することとなった。このような医療の「病院完結型」から「地域完結型」への変化に伴い,多くの地域で,「地域医療連携」が行われるようになってきている。「地域医療連携」とは,「施設が,他施設や関係機関と協力して,患者・家族の意向に沿ったケアを確実に行い,ケアを継続するための活動」2)とされている。
こういった状況のなか,地域中核病院の看護師には今後どのような役割が求められるのだろうか。患者の入院時から,医療の視点に加えて,社会,福祉,生活等,幅広い視点からアセスメントし,患者がやがて地域に戻って生活することを見据えて援助していくことが求められてくると考えられるが,具体的にはどのようなことか。地域中核病院の地域医療連携において,看護師は実際にどのような役割を果たしているのか,2つの自治体の地域中核病院において調査したので報告する。
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