特集1 看護学生の論文
入選エッセイ・論文の発表
論文部門
成人期透析患者の食事自己管理の工夫と困難
坂井 繭子
1,2
,
千葉 由梨子
1,3
1杏林大学保健学部看護学科(投稿当時)
2横浜市立みなと赤十字病院(小児科)
3杏林大学医学部付属病院(新外科ICU)
pp.718-721
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100745
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はじめに
透析を受けている患者の食事療法は,エネルギーと蛋白質は十分摂取しなければならないが,塩分と水分などの制限が課せられ,複雑である。成人期にある患者は多くの社会的役割をもち,特に就労している者は職場での責任を担う。食事療法を継続し,自己管理していくことは,ただでさえ不規則な食生活になりやすい成人期の患者にとっては困難なことと考える。先行研究1─3)においても,患者の抱えるつらさや困難に目を向けた研究が多くみられるが,患者は困難さのなかにも意識・工夫していることがあるのではないかと考えた。
そこで本研究では,就労しながら透析療法を受けている成人期の患者を対象に,食事の自己管理における工夫と困難を明らかにすることを目的とする。患者自身の行っている工夫や困難を知ることで,今後,患者のできていない部分だけではなく,できている部分に視点を向け,それを患者へフィードバックしてよりよい自己管理を支援する一助とする。
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