連載 広がる院内助産所・助産師外来・3
地域の中核病院における助産師外来の取り組み
葛西 圭子
1
1NTT東日本関東病院 看護部
pp.672-677
発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101512
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助産師の専門性とは何か,独自性の発揮とはどのようなものか.保健師助産師看護師法は「この法律において『助産師』とは,厚生労働大臣の免許を受けて,助産又は妊婦,じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう.」と定義し,異常があると認めた場合には医師の診療を求めなくてはならない1).また,助産所の開業については医療法で規定されている.妊娠期での助産師の役割は正常・異常の経過診断と妊婦の保健行動を高める指導・相談が中心となる.本人と家族がどのような出産を望み,子どもを含めた家族生活をどのようにスタートさせるかの意志決定支援の役割は特に重要である.広がりつつある助産師外来は,単に現在の産科医療危機の主な原因である産科医師不足の窮余の一策ではないはずであり,助産師の本来の役割を取り戻す契機となるのである.ここではNTT東日本関東病院(以下,当院)で実施している助産師外来の開設経緯と現状,今後の課題について紹介する.
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