特集1 看護学生の論文
入選エッセイ・論文の発表
論文部門
看護学生の観察に対する認識に及ぼす影響―急性期看護学実習の体験から
前田 梨紗
1,2
1福井大学医学部看護学科(投稿当時)
2関西医科大学附属枚方病院(循環器内科)
pp.714-717
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100744
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はじめに
周手術期看護の過程では重症の疾患や傷害をもつ患者は身体機能の安定性が保てず,急速に不安定な状態へと陥る危険性が高い1)。そのような患者を受け持つ体験は,看護学生の観察に対する認識に大きな影響を及ぼすものと考えられる。そうした体験はそれぞれで異なると考え,他の看護学生はどのようなことを体験しているのかを調べてみたいと考えた。
急性期看護学実習における看護学生の観察に対する認識に影響を及ぼした体験について着目した先行論文を調べたところ,急性期実習における看護学生の観察状況の評価2, 3)や手術に対するイメージの変化についての研究4)は行われているが,看護学生の観察に対する認識に影響を及ぼした体験の研究や報告は見当たらなかった。
そこで本研究では,急性期看護学実習において,どのような体験が看護学生の観察に対する認識に影響を及ぼしているかを調べ,それを明らかにすることで,看護学生がどのようなきっかけで急性期患者の変化に対応した観察の重要性を認識し,観察力を養っていくのかを明らかにしたい。
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