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スタッフナースのエンパワメントと看護職としての説明責任が生産性と仕事の効果に対する認識に及ぼす影響
佐々木 美奈子
1
,
菅田 勝也
1
1東京大学大学院医学系研究科・看護管理学分野
pp.816-817
発行日 2003年10月10日
Published Date 2003/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100918
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看護実践を支えるための職場環境を整えることの重要性は古くから認知されている。看護師が専門職としての力を発揮できることが職務満足を高め,組織・専門職そのものへの関わりを深めるため,近年,看護管理のスタイルとして,管理者よりもむしろ,スタッフ自身が看護ケアに対し責任をもつことを促す環境を作り出すことを目的とした,分権型参加型マネジメントが取り入れられている。しかし,真にケアに責任をもつためには,スタッフナースが,専門職としての判断を支える支援を受けることが不可欠である。
カンターKanter R Mは,支援,情報,資源,および学習し成長する機会に,個々の職員がアクセスできるような職場の組織構造が,職員の仕事の能力に大きな影響を与えるという組織エンパワメント理論(Theory of Organizational Empowerment)を提唱した訳注1)。専門的知識と技術をもとに仕事ができ,自分の行動に対し説明責任を果たすことができる能力や権限を備えることは,生産性や仕事の効率が増すなど,組織に対しよい効果をもたらすことが多い。
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