特集 模擬患者(SP)参加の看護教育
交流セッション参加者からの質問にこたえて
矢田 志緒
1
1聖母女子短期大学
pp.844
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100491
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Q1. SPを依頼する際の予算について
A1. 例としては,「東京SP研究会」では以下の料金設定となっている。SP1人あたり1万円,コーディネート料1万円,演習におけるコーディネーターの依頼料1万円(交通費は別途)。予算の確保が困難な場合,他校の看護教員に有給休暇で,SPのボランティアを依頼している例もある。予算の確保は今後の大きな課題であり,現状では教育予算とは別に,研究目的としての公的研究費等を申請し予算確保に努めているケースが多い。予算確保のためにも,SPを活用した教育方法の効果を教育評価としてどのように明らかにしていくのか,このことも,研究会における今後の課題であると考えている。
Q2. 学内の看護教員がSPとなることのメリットとデメリットについて
A2. 過去の経験上では過去の単位認定者であるなど学内の既知の教員がSPとなることで,学生に緊張感を与えた事実は否めない。学生は教員をSPとして捉えようと演習に臨むが,既に構築された学生-教員関係は演習に影響したと思う。しかし,看護教員がSPとなることで,患者の状況設定に関しリアリティーを持たせることができ,学習目標に沿った患者を演じることができるといったメリットもあると考えている。
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