焦点 看護実践能力育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標
看護教育に願うこと―移植医療を受けた経験から
若林 正
1,2
1国際移植者組織トリオ・ジャパン
2東京大学医学教育国際協力研究センター研究機関
pp.427-434
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100410
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違和感
「闘病生活」「病気と闘う」といった表現に接すると,いつも違和感を覚える。長年にわたり,原因も治療法も不明な病いと共にあり続けて,常に予想外の展開に遭遇し,向き合い続けてきた立場としては,病いは単純に「闘う」ことで克服されるようなものとはとても思えないからだ。もし,一定期間闘うことですっきり治るものであれば,それに越したことはないが,現実はなかなかそう思い通りには動いてくれない。
日本で生体肝移植1)を受けてから約8年半,米国で脳死肝移植2)を受けてから約6年が経過し,かつては日々実感していた上述のような思いも忘れかけていた昨年度,改めてこのことを実感させられた。
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