ひまわり
看護職の自立を願って
田辺 庚
1
1諏訪中央病院
pp.604-605
発行日 1997年8月10日
Published Date 1997/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900688
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美しく雄大な八ヶ岳山麓,緩やかに広がる山裾を一望できる病院への勤務も3年目になる.今までの目と鼻の先の職場から,朝6時半に家を出ての電車通勤にも慣れ,四季の変化の素晴らしさを再発見したり,この頃は通勤友達もできたりと,楽しみも味わっている.
臨床現場に夢中だった9年目の私に,看護教育の話が飛び込んできたのは,23年前のことである.家族の理解と協力もあり,子育てや日常生活も三交替勤務と両立できていたので,環境の変化に不安を抱えながら教育現場への出向を決めた.少子化が問題になっている現在とは違い第2次ベビーブームの中,助産婦として座る暇すらなく動いていた生活から,机に向かう日々となり,戸惑いながらも新鮮な気持ちで看護を学んだ.そして,臨床を離れて気づいた看護の奥深さをもう一度実践に生かしたいと考えながらも,毎年新たな課題に直面し,あっという間に20年が過ぎていた.経験の積み重ねというより,予期せぬ課題で鍛えられたといえる.職場変更には緊張と不安,夢と期待が複雑に同居しているが,新たな課題は自分の未知なる道を拓き,尽きない可能性に向かわせてくれた.
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