特集1 看護学生の論文 入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
理想と現実
佐藤 妙
1
1日本赤十字看護大学
pp.650-651
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100334
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私たち看護学生は,大学の授業を通して患者さんの心に寄り添った看護について学んでいる。看護においては,看護技術や看護知識とともに精神的ケアが重視されているからである。しかし,実際の医療現場の看護師たちは多忙な日常業務に忙殺されている場合が多いのではなかろうか。
「生命倫理学」の授業において某病院の看護師たちのビデオを見た時にも,そういう点を強く感じた。その病院の看護スタッフ数は病床数の2分の1。標準的な数値であるが,実際の勤務形態は,日中は患者10人に看護師1人,夜中には患者20人に1人の割合になる。決して十分な看護体制とはいえない。ビデオカメラがとらえるナースステーションの看護師たちも,コマネズミのように動き回っていた。
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