連載 看護教師の学び方アラカルト―つなぐ・創る・活かす・6
今,看護教員に求められる学び方―自らの研修をデザインする
衣川 さえ子
1
1厚生労働省看護研修研究センター
pp.514-517
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100305
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はじめに
保健医療福祉分野で専門性を発揮できる看護職の育成に対する期待は大きい。現在,看護師等学校養成所は,医療安全,看護倫理等の新たな内容を組み入れた教育課程開発や,自己点検・自己評価にもとづく学校改善など多くの課題を抱えている。新たな教育課題を解決する上で,日々の活動を着実に展開しつつ,創造的なあり方を模索し自らの専門的力量を高めることが看護教員に求められる。時代の要請に応えるべく,絶えざる自己変革に向けて教師がいかに研鑽を重ねるかは,教育の質を規定する重要なテーマである。
そこで,看護教員を「自ら学ぶ」主体として捉え,学ぶ内容というよりも学び方に焦点を当て,日頃の研鑽の仕方をふり返り,自らの学びについての「方法知」を深めたいと考え,本連載を始めた。初回から5回にわたり,研鑽の具体として,厚生労働省看護研修研究センター看護教員養成課程卒業生の活動を取り上げ,活動経緯と当該教師にとっての学びの意味を報告した。
本連載では,教師の資質能力は全体的な人間としての資質能力を基盤としていることから,看護教員の学びを「教育研究」に限らず,「修養」をも含む広い意味で捉えている。看護教員としてのキャリアの充実と所属機関の期待・要求とを調和させた活動として「研修」を用いた。なお今日,高等教育諸機関における教授団の能力開発は「Faculty Development」の文脈で論じられるが,多義性をもつ概念であるため,ここではあえて用いない。
連載を終えるにあたり,看護教員自身の学びをいま,どうデザインするかの観点から,すでに報告した事例に若干の考察を加えたい。
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