特集 病院と看護学校
病院が看護学校をもつメリットとデメリット
自らが教育し,自らの病院に適した看護婦を得る
杉岡 直登
1
1九州厚生年金病院
pp.24-25
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205916
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病院が看護婦養成施設を持つことの損得を論ずる前に思うことは,まず病院の使命の一つとして,医師,看護婦その他医療技術者を教育し,研究の場を与えることである.ことに看護婦にあっては臨床実習を重視した関係上,自らの手で卒前教育を行うをよしとされた.病院開設の先覚者たちは,優れた病院の資格として看護婦の養成を考えていたに違いない.立派な病院であるが看護婦の養成施設を持たないで卒後教育のみを行う病院を見かけるようになったが,臨床教育を重視するならば,白い布地から染めてゆく場となるのが望ましいと思う.
厚生年金病院(東京,大阪,九州)において,開院後まもなくそれぞれ高等看護学院が併設されたのも,1つにはその次元の目的があり,2つには自らの施設に適した看護婦を自らの手で養成することを考えられたのであって,当然であろう.
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