特集 教員だからこそできる地域貢献
沖縄県の離島における高齢者の地域ケアシステムづくりに関わって
大湾 明美
1
1沖縄県立看護大学
pp.384-388
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100250
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沖縄の離島の実態
「離島」の特徴として,“狭小性”“孤立性”“隔絶性”があげられる。それは,都会のものさしで測定され,生活の利便性の悪さ,情報収集や把握の乏しさ,外部刺激の弱さ,保健医療福祉サービスの欠乏などを引き起こす。ケアの環境は,人的・物的資源の乏しさや高齢化率の高さなど,離島の「不利性」をクローズアップし,社会問題としてその克服の困難性を話題にする。これが,これまでの離島の一般的な捉え方である。沖縄県の離島の高齢者ケアにおいても,同様な捉え方でその対策が多方面から講じられてきた。
島嶼県である沖縄県は,南北約400km,東西約1000kmの広大な海域に160の島が点在し,39島の有人離島がある。そこに沖縄県人口の約1割の人々が生活し,高齢化が進展している。人口6人の島から4万人余の島まで大小さまざまである。人口100人以上の島には県立や町村立の診療所があり,プライマリメディカルケアは保障されている。また,保健師不在の町村はなく,ヘルスケアも網羅されている。
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